新婚でも浮気をする人もいます。結婚はゴールではなくスタートなのですが、結婚した途端に安心するのか、釣った魚に餌をあげない人もいるようです。
今回は、新婚夫婦の結婚生活が悲惨な結末を迎えてしまった裕子さん(仮名)の体験談をご紹介します。
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独立してから豹変した夫
当時、裕子さんと祐介さん(仮名)は、結婚して4カ月ばかりの新婚夫婦。新しいマンションへ引っ越しもして、順風満帆な生活をしていました。
しばらくして、祐介さんはそれまで働いていた会社を辞めて独立したそうです。先行きの見えない独立でしたが、裕子さんは祐介さんの気持ちを尊重し、自分も働いているにも関わらず、事務や集客に関わる雑用など、できる限りサポートして祐介さんを支えていました。
独立後忙しい日々を送っていた祐介さんは、仕事の付き合いもあって、次第に夜の帰宅がどんどん遅くなっていきます。
独立したばかりでしたので、夜遅くまで仕事をしているのだと思っていたそうですが、徐々に夜中の12時過ぎとなっていき、しまいには帰宅が朝方3時、4時になることが増えたそうです。
あまりにも遅かったので、何をしているのかと聞いたら、最初は話をごまかしていてなかなか本当のことを言わなかったのですが、突っ込んで聞いて行くと、どうやら仕事の付き合いと称して飲み歩いていたようなのです。
「あの頃は毎日が地獄でした。いつ帰ってくるかわからない旦那を待っているのも辛かったですが、諦めて寝ようとしても、意識が自然と玄関の方へ向いてしまい、眠った気にならないのです。」
裕子さんが、早く帰ってきてと言っても、仕事の付き合いだからしょうがないと言われ、全く努力しようともしません。裕子さんはそれでも仕事だから仕方がないと思い、共働きにも関わらず家事も全て行なっていたそうです。
実家に帰れ?自己中な理由で別居に発展
そんなある日、祐介さんから実家に一時帰って欲しいと言われたそうです。
「仕事が忙しいので、私の相手をしている余裕がないから、一時的に実家に帰ってくれと言われました。私が家で帰りを待っていると、悪いと思って仕事に集中できないのだそうです。
意味がわかりませんよね。私も仕事をしていましたから、田舎にある実家に帰ることはできないし、この家が私の今の家なのに、なぜ私があなたの都合で出て行かなきゃいけないのかと。かなり自分勝手です。頭にきました。」
さらに祐介さんは、裕子さんが実家に帰る間仕事を休まなければいけない期間の金は出すから、とまで言ってきたそうです。
「本当にこの人は何を言っているのかと耳を疑いましたよ。お金の問題じゃないのに。私も仕事に責任もありますし、第一、なんでそこまでして私を実家に帰したいのか。意味がわかりませんでした。」
明らかにおかしな話ですが、裕子さんはもちろん実家には帰りませんでした。あまりの態度に頭にきていましたが、その後根気強く話し合いをしたところ、祐介さんから今は仕事に集中したいので距離を置きたいと言われたようです。
「話し合っていくうちに、どうやら私に対しての配慮というか、心配りが全くなく、愛情さえも感じられなくなっていました。
言っていることが支離滅裂で、自分勝手。このまま一緒にいても私がおかしくなりそうだったので、とりあえず別居することにしました。」
引っ越し費用は全て祐介さんが出すということを条件に、ひとまず距離をおくと言う名目で別居することになりました。
関係を修復するはずが借金の発覚
祐介さんは自分から一旦距離を置きたいと言ったくせに、実際に裕子さんがいなくなると寂しくなったのか、しばらく経つとよりを戻したいと言ってきたようです。
しかし一旦あんなことがあった後で、裕子さんは祐介さんのことをすぐに信用することができなかったので「誠意を見せて欲しい」と、もう一度信用するためには時間が必要だと諭しました。
それからその誠意を見せてもらうために週1で会っていたようですが、次第に祐介さんと連絡が取れなくなってきます。
「ある時ローン会社から電話があり、ローンが支払われていないと言われたのです。」
実は祐介さんは車を購入していたのですが、裕子さんが連帯保証人となっていて、そのローンの支払いが滞っていたようでした。
その頃になると、祐介さんとはなかなか連絡が取れなくなってきていたようなのですが、何とか連絡を取り、ローンの支払いをしてもらうことができたそうです。
しかし裕子さんはそのことを友人に相談すると、知り合い伝の話では、どうやら祐介さんはいくつも借金をしているようでした。独立のための借金なのか、飲み歩いて使った借金なのかはわかりませんが、すでに車のローンの支払いが滞ってくるとなると、このままだと裕子さんが尻拭いをしなければいけなくなります。
裕子さんは、もし祐介さんが自己破産や、このまま連絡が取れなくなってしまったら、借金を背負うことになってしまうと思い、とりあえず離婚だけは早くしないといけないと思い離婚を急ぎました。
なかなか連絡が取れない中、なんとか会うことができ、離婚届に判を押してもらうことができ、無事に離婚することができたそうです。結婚期間はわずか8ヶ月でした。
借金だけ残して行方不明に
離婚はしたものの、車のローンの連帯保証人になっている以上、祐介さんがローンを払ってくれないと、裕子さんが払わなければいけなくなります。
その次の月も支払いが滞ったので、祐介さんと連絡を取ろうとしましたが、連絡がつかなくなりました。家に行っても会うこともできなくなり、友人や知人に聞いても誰も行方が分からなくなったのです。
「心配していたことが現実になってしまいました…。血の気が引きましたね。」
マンションからは出て行ったようですが、隣人の話によると、夜中に荷物を積んで出て行っていたようでした。
「それって夜逃げじゃないですか。」
もちろん車のローンの支払いはそれ以来ありません。連帯保証人になっていた裕子さんは、残りのローンを支払う羽目になったのです。ローンが残っていた車は祐介さんと一緒に消え、売ったのか、そのお金も持ち逃げされたようでした。
さらに後日、裕子さんの住んでいるアパートに、祐介さんと一緒に住んでいたマンションの管理会社から通知がきたそうです。
何と祐介さんは家賃を3ヶ月も滞納していたらしく、実質追い出されたようなものでした。しかし管理会社は滞納分の家賃を回収するため、次の引越し先の住所を聞いていたそうですが、その住所を裕子さんの住んでいるアパートの住所を教えていたそうなのです。
「怒りと同時に呆れて物が言えませんでした。まさかここまで酷い人がいるのかと…。」
もちろんすでに離婚もしていて何の関係もない裕子さんには、滞納していた家賃を支払う義務はありません。管理会社には事情を説明し、祐介さんはここには居なく嘘を教えていたこと、裕子さんもローンの支払いがされていないので困っていることと、こちらも探しているので見つかったら連絡して欲しいということを伝えたそうです。
管理会社の人が言うには、家の中には大量のゴミが残されていたそうです。
実はフィリピンパブにハマり浮気と借金をしていた夫
あとで知人や噂を通してわかったことですが、仕事と称して夜遅くなっていたのは、実はフィリピンパブにハマって通っていたようです。お気に入りの女の子に貢ぐため借金をし、その子を家に呼びたいがために裕子さんに実家に帰るよう促したようでした。
もちろん仕事は軌道に乗るはずもなく、そちらでも借金を作り、いくつもの消費者金融からお金を借りていたようです。
「別居した後、やり直したいと言っていたのは何だったのか。フィリピンパブの女の子に振られたから私のところに戻ってきたいと言っていたんじゃないだろうか。結局、お金が無いとわかったら振られたんじゃないの。」
フィリピンパブにハマり、借金から夜逃げをして、仕事も友人も失い、世間に顔向けできない生活を送らなければいけなくなったのも、全部自業自得です。しかし、裕子さんは完全に巻き込まれた被害者です。結婚不適合者と結婚したばっかりに、相手の嘘を見抜けなかったばっかりに、悲惨な結末の結婚生活を迎えてしまいました。
「何で私が、浮気もされた上に、残された借金まで払わなければいけなかったのか…。本当に今でも許せません。でも、あんな男と早めに別れられて良かったと思っています。」
裕子さんは別れた後は数年恋愛ができなかったそうですが、今は新しい出会いもあり充実した日々を送っているそうです。
結局どうすればよかったのか?
「何をしても離れないでいてくれると思っていた。」
別れた後、祐介さんが言ったセリフだそうです。
裕子さんは、夫婦なのだから支えるのが当たり前だと思って献身的に支えていたようなのですが、その行為が却って祐介さんに好意の上にあぐらをかかせてしまっていたようです。
独立後の仕事を支えていたのに裏切られ、挙句に借金を残して行方不明。
なぜここまでの暴挙を見抜けなかったのでしょうか。
結局、裕子さんに見る目がなかったと言うしかありません。結婚する前に相手がどんな人か人間性を見抜けなかったことが、このような悲劇に巻き込まれてしまった原因でしょう。
通常ならこのような場合、祐介さんと浮気相手から慰謝料を取ることもできたはずですが、祐介さんが浮気をしていたことを知ったのは離婚した後ですから、慰謝料を請求することは難しかったと言えます。
とは言え、祐介さんはいくつもの消費者金融から借金をしていたようですし、たとえ慰謝料を請求したとしても払ってもらえる可能性は低かったでしょう。浮気相手はフィリピンパブの女性ということですが、裕子さんを実家に帰そうとしていたことから、祐介さんが既婚者だと言っていなかった可能性がありますので、相手の女性から慰謝料を取ることも難しかったと思います。
行方不明になった祐介さんですが、数年後、写真付きでフェイスブックでプロフィールが見つかったようです。
「よくもまぁ、世間に顔を出せたものだと思いました。探偵を雇って行方を探してもらって、借金と慰謝料を払ってもらおうかとも思ったのですが、お金のない人から払ってもらえるとは思えませんでしたので諦めました。高い勉強代だったと思うことにしました。
ただし、今でも心の底から恨んでいます。天罰が下って不幸になってのたれ死んで欲しいと思っています。」
※本記事は実際の出来事に基づいていますが、プライバシー保護のため名前を仮名とし、一部を脚色しています。ご了承ください。